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原子力発電システムに関する私の見解  事故から3年 2014年3月11日

 2014-03-20
原子力発電システムに関する田尾の見解 事故から3年  
                                                      2014年3月11日 田尾陽一

原子力発電システムに関する見解 事故から3年 
2014年3月11日 田尾陽一

 福島原発事故は、原子力発電プラント*の本質を明らかにした。 
 原子力発電システムが、福島の生活と産業を長期的に破壊し続けている。
 原子力発電システムは、自然・人間・産業の持続可能な関係性・共存性を理解できない政・官・産・学複合体によりデザインされ、運用されている構造的欠陥システムである。
 原子力関係等の現代科学技術は、自然との共存性を失っている。その基礎である自然科学・自然哲学の本質を見誤って、社会的欲求を巻き込むグロテスクのものに進化している。

* 国際的にはNuclear Power Plant, NPP(核発電プラント)と呼ぶ。
「核(原子力)発電システム」は、「プラント」を含む全体の仕組みであり、ウラン採掘から最終放射性廃棄物処理まで、さらに社会環境・自然環境との関係性を含むトータルな概念である。日本原子力学会関係者が、政府・産業の期待に応えて、「包括的燃料サービス(CFS)」の研究をしているという。ウラン採掘と最終放射性廃棄物処理をモンゴルなどに分担させ、 日本は「プラント」輸出で利益を得ようという国際的格差を利用した「トータルシステム」であるらしい。

 福島原発事故は、原子力発電システムに欠落している具体的な機能・要素を明るみに出した**。

 福島原発事故の主原因であるメイン電源(送受電網)を設計外(想定外)にしていたこと。
 予備電源・緊急冷却・配管・電気系統・リスクマネージメントシステム等の構造的欠陥 を放置。
 放射性廃棄物(中間・最終)処理システムを設計外(想定外)にしていること。
 緊急時住民避難システムの欠如等、周辺住民の安全性を設計外(想定外)にしていること。
 放射能汚染地域の回復システムを設計外(想定外)にしていること。
 自然環境への適合性を設計外(想定外)にしていること。

 **日本政府事故調査委員会等は、全てを津波のせい(自然災害)にして、真の事故原因を隠蔽した。「想定外を想定しましょう!」等、レベルの低い最終報告書が出されている。
原子力規制委員会は、「プラント」敷地の津波対策・地震対策を主要課題に見せかける
新基準を掲げ、政府の早期再稼働政策の「科学技術的根拠」を与える役割を果たしている。
住民避難・最終廃棄物処理も、この新基準の想定外である。

 核兵器体系の産業化である核発電=原子力発電システムは、自然環境・
人間・産業の共存性をトータルに捉える設計にはなっていない。
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